そして午前2時

今夜の夫との会話のネタは某化粧品/健康食品メーカーの通販カタログであった。

「ん???」
「何」
「いや、なんか『時短アイテムで朝活!』みたいなページがあるんだけどさ」


【再現】
〜 忙しい毎日でもイキイキ過ごしている美咲さん。その秘訣とは…? 〜
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*細かいところはいろいろと変えてます


「夫の朝メシ作ってるなら時短にならなくない?」
「ならないね」
「ならないよね」
「もともと夫はご飯派、私はパン派、って感じで別に用意してたんじゃね」
「自分のぶんを作る手間が省けると」
「とはいえこんな凝った朝メシ用意してたら時短もクソもないわな」
「そしたら、夫がひとりぶん、自分で用意してるんじゃないか」
「こんなていねいなごはんを」

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「プレートに小鉢を乗せるようなカフェ飯を」
「雑穀炊いてな」
「夫、すげえな」
「美咲さんにも食わせてやればいいのに」
「『あたしスムージー飲むから!いらないから!』」
「仲悪いな」

「あっ」
「なんだ」
「美咲さんのプロフィール…」

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「ギャッ!」
「お子様のオの字も出てきてねえぞ!」
「ヨガの前に気にすることあるだろ!」
「専業でも小さい子がいたらそれどころじゃないでしょうに」
「しかもデザイナーって割と激務では」
「在宅勤務ってことで、なんとか…」
「在宅なのに1駅ウォーキングすんのか*1
「うーん、実は親と同居で、子供の面倒は見てもらえるとか」
「あかん、『3人暮らし』って明記してある」
「じゃあもう夫が保育園に寄って出勤するしかないんじゃ」
「夫、すげえな」
「いっそ美咲が10代で出産してて、子供が全寮制の中学に入ってるってことにしようよ」
「だから『3人暮らし』なんだって」
「じゃあ一緒に住んでるが、どっちみち手がかからない年齢になってることにしよう」
「朝ヨガやってる後ろで、小学校だか中学校だかに登校してると」
「子供の朝メシは」
「スムージーか、夫が作ったカフェ飯、かな…」
「美咲、これを見る限り何も家事してないけど、ご家庭は大丈夫なのかな…?」
「書いてないだけできっと、掃除洗濯とか夕食は美咲の担当だよ…」
「そうだね…」


われわれの一応の結論としては「美咲が家庭を放棄してるようにも見えるが、夫ががんばってるし、書いてないところで美咲も家事やってるから大丈夫」ということになりました。あるいは今書きながら思い付いたが「夫が専業主夫」って説もある*2
想像するに、「独身や専業主婦よりもワーキングマザーという設定にしたほうがフックになる」「成人男性の朝食にスムージーだけだと栄養が足りない」あたりの理由でこういう盛り込み方になったんだろうけど、いくら非売品のカタログの埋め草ページだとしてももう少し設定練っていただきたいですね。ガバガバにも程がある。多分このページ作ったライターよりも、私ども夫婦のほうが美咲のことを真剣に考えてる。
こんな議題に夫婦の会話を費やし、しかもわざわざ絵に起こしてブログをしたためる行為こそが時短と最も遠いところにある、という事実からは積極的に目をそらして生きていこうと思います。俺が、俺の時間の使い方を、決める!

*1:してもいいけど

*2:叙述トリックっぽい