無職日記~映画「パラサイト 半地下の家族」をみたよ篇~

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伊集院光とらじおと」のプレゼンコーナーで桐畑トールさんがおすすめしていたのに興味を持って鑑賞。桐畑くん*1曰く「とにかくなるべく事前に情報を入れないで観に行ってほしい!なんならあらすじすら知らずに観た方が絶対面白い!」ということだったので、愛読しているブログの更新*2も読まないようにして映画館に向かった。映画めったに観ないマン*3なんですが面白かった~。平日昼間の回だったけど、レディースデイだったこともあってお客さんはかなり入ってた印象。以下で内容に若干触れます。



www.parasite-mv.jp
(なぜかめちゃくちゃ重い、どうした)



半地下の家に住み、かなりの貧乏生活を送っているキムさん一家の息子が、友人から家庭教師の代打を頼まれる。これがIT社長んちのご令嬢(JK)相手で、キムさんちの人々はこれをきっかけにして、社長の家にじりじり浸食していく…そして…というお話。私はこう、「何事かが上手く行ったけど、尺からするとこの後でしっぺ返しが来るであろうことが予想でき、その状況で登場人物がめちゃくちゃ調子に乗っている」というシーンがすごく苦手で*4直視できなくなってしまう。この映画で言うと、社長一家がキャンプに出掛けた後の酒盛りシーン。あっこれ絶対バレる、ていうか雨すごいし絶対帰ってくる、あっダメ、飲むにしてももう少し慎ましくしておかないと…と気が気じゃなかった。観た方にはお分かりの通り、実際はその後に超展開が来てすべてが吹っ飛ぶんだけど。そこからずっと口開いてた気がする。
登場人物の中で一番好きなのがキムさんちの娘*5。あの子は最初から最後までずっとリアリストだった。酒盛りのシーンでも、やれ息子が「社長の娘と結婚する」だの母が「この家がうちのものになる」だの浮かれて、この家が俺たちのものになったらどの部屋に住みたいかと聞かれても、「手に入ってから考える」とか地に足がついたことを言っていた(はず)。クライマックス、リスペクトおじさんに刺された後も、必死に止血しようとする両親に「強く押さえると痛い」とだけ言う。「私…死ぬの…?」みたいなことは言わないし、人生への恨み言も「クソ」の一言だけ。息子(長子)は貧乏な中でも4回受験(&失敗)しているが、娘は美大受験すらできない*6。そういう背景を含めて、最初から最後までどこか諦めた表情をしていたのがとてもよかった。豪雨で半地下の家が浸水したときも、汚水の噴き出す便座の蓋を叩き閉め、どっかと座って一服していたのが最高にクールだった。

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他にもお父ちゃんの無計画論とか、「におい」がそのまま刻印になってしまうこととか、いろいろと感ずるところがありました。面白かったなー。なお、いちおうジャンルとしては(ブラック)コメディになるようだが、一番笑ったのは元家政婦さんの親北ギャグ。(韓国でもそういう扱いなんだ!)っていう。




ところで「らじおと」の同じ回でプレゼンされていて、その後ディレクターさんがゲストにも来た映画「さよならテレビ」をものすごく観たいんだけど当県には来ねえんだよなー!!!!!2時間かけて他県行かないと観られないんだよなー!!!!なー!!!!!!
sayonara-tv.jp

*1:学生時代に馬鹿力を聴いてた身としては当時の感じで「桐畑くん」と呼びたくなってしまうが、先日の放送で現在47歳と知ってぶったまげた。そりゃそうか…

*2:地べたより下の世界から ポン・ジュノ監督『パラサイト 半地下の家族』を観る - 関内関外日記

*3:年に1、2本程度

*4:ちょっと前に盛り上がっていた共感性羞恥の一種なのかもしれない

*5:字幕では「ギジョン」という名前だったように記憶しているが、公式サイトが落ちてるので確認できない

*6:貧乏一家の中でも扱いに差がありそうなのがなんとも闇