RnS(リズム・アンド・セブンイレブン)

仕事帰りにセブンイレブンに寄った時のこと、子ども連れのお母さんが買い物をしていた。お子は何かひとつ好きなものを買ってもらえる約束になっているようで、店内をくまなく見て回り、何にするか厳しくそして激しく*1選んでいた。
やっとこれぞというものを選び出してお母さんに渡し、連れ立ってレジに向かう。すると、お子の目に「セブンカフェドーナツ」が飛び込んできたのだ。お子に衝撃が走る(たぶん)。ドーナツ…、しかも、いちご味もある…!!大好きな(たぶん)いちご味…!!

その時、お子は叫び始めた。
「ママ、いちごドーナツかって!」
何度もくり返す。
「ママ、いちごドーナツかって!」
「ママ、いちごドーナツかって!」
「ママ、いちごドーナツかって!」

隣のレジにいた私はよくある駄々的サムシングだな、と聞き流していたのだが、ふと気がついた。この駄々が妙にリズミカルなのだ。お子の叫びをより細かく表現すると、「マァマ、いちご、ドォナツかって!」となる。この小さな「ァ」「ォ」と「いちご」の後の休符がなんかいい感じのリズムを生んでいる。
つまりこう。
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小学校の吹奏楽部で大太鼓をやっていた経験ぐらいしかないくせに何故リズム譜(めいたもの)を書くなどという無茶をしたのか。なんでやろな。それは赤井さんと私だけの秘密である。
赤井さんのことはいい。しばらく聞いているうちに、これ三・三・七拍子なんだ!と気づいたんである。「ァ」「ォ」もスタッカートの利いた感じで、このお子は明らかにリズムを刻んで訴えかけているのだ。延々と続くドーナツコール。揺れる脳。聞いてるこっちも「ヨッ!」とか「ホイッ!」とか合いの手を入れたくなる*2

「子どもはみんな天才だ」という言葉をどこかで見聞きした記憶があるが、道理でこのように駄々にもリズム感を織り込んでくるようなお子が、まちのセブンイレブンにいたりするわけである。彼女*3には是非その才を伸ばしていっていただき、駄々だけでなく例えば朝の会のあいさつ、起立・例・着席の号令、せんせーにいってやろー的な煽り文句など、さまざまな場面でオーディエンスをリズムの渦に巻き込んでいってもらいたいものだ。
なお、ドーナツは買ってもらえなかった様子であった。

*1:「どうしよっかなー、○○はこのまえかってもらったしなぁー」などど若干のラウドネスを纏っていたため真剣味がビンビンに伝わってきた

*2:マァマ(ホッ!)いちご(ヨッ!)ドォナツかって(ヘイ!)って感じで

*3:女の子でした