拙者の明日はなんだい

anond.hatelabo.jp

タイトルを見て、すわ「それがしとご同類にござるか!」と浮き立ったものの、いざ読んでみたところそれがしよりずっと立派な御仁でござった。それがし、転職から逃げたツケで首が回らなくなった、一介の無職にござる。宜しくお頼み申す。なにゆえ斯様な文体かと申すと、ガチで書くと結構心がつらいからにござる。


それがしは30代半ば、地方都市に暮らす無職にござる。生国は江戸の近傍にて、大学卒業後に江戸の会社に新卒で入り申したが、今思い返すにこの時点で道を誤ってござった。それがしの選んだ職は基本的に江戸に集中しており、あとは大都市ならボチボチあるかな~という布陣にござって、かつ、潰しのきかない、割とヤベー職種にござった。そこでしばし働いたのち、御屋形様*1に召し抱えられ、某国へ国替え*2となった。ここで初めての転職活動を行ったのでござる*3。国替え先は日本三大都市のひとつであり、大都市でござった。また、景気もすこぶる良く、求人も数多くござった。がしかし、それがし、なかなか仕事が決まらなかったのでござる。
前述の通り、それがしの職は潰しのきかない職にござった。御屋形様にはこの先も国替えの可能性がござるゆえ、それがしもこの時点で潰しのきく職種や業界にいざいざジョブチェンジと意気込んでござった。しかし、その時点で三十路に足が届かんとする、未経験のそれがしを採用してくれる会社はなかなかござらんかった。それがしが採用担当者でもそうする。半年は粘ったであろうか、職業訓練校でも通おうかと思い始めた頃、かつてと同じ業界で多少職種は異なるものの、アルバイトの募集があったのでござる。



それがしの居た業界はなんと申すか、「やりがい搾取」と言われる一方で「憧れの仕事」とも言われちゃったりするような、そういうところでござった。新卒で入った会社は完全なる中小企業で懐もベリーベリーコールドでござったが、それでも時々憧れちゃった学生のOB訪問を受けたりしたものでござる。それがしは全く優れた仕事人ではござらんかったし、その業界にどうしても居続けたいという欲もござらんかった。しかしこの求人を見たときに、まこと恥をしのんで申せば、それがしの中に「手堅い職よりもパッと見スゴイっぽい仕事*4を続けたい」というスケベ心がムクムクと湧き上がったのでござる。むろん、未経験の業界より同業他社の方が楽に決まるんじゃないかな~という期待もあり申した。当時は連敗続きで疲れてござった。
結局、誘惑に負けたそれがしはこの求人に応募し申した。有難きことに無事採用されそこで数年働いたのち、また同業界の、今度は派遣の仕事を見つけてそちらに移り、結局ジョブチェンジは果たせなかったのでござる。その矢先、御屋形様に次なる国替えの命が下り申した。次の配置先は、日本のだいぶ端のほうの中核都市にござった。それがし、次の職探しには苦労するであろうと覚悟し申した。



ところが意外にも、新しき国にて、職はすんなりと見つかったのでござる。またしても同業界で、むろん正規の職ではござらんかったが、次にいつまた御屋形様の国替えがあるかわからぬ以上、1年更新の職はかえって都合がようござった。ところがどっこい*5、この職場でそれがし、すんごい痛い目を見たのでござる。仔細は省くが職場で色々あり、ジャスト1年で退職し申した。
このあとの職探しがま~~~マジで捗らず、前の国にて登録してござった派遣会社*6からは「そちらには対応してござらん」と言われ、転職エージェントからはほぼ連絡がなく、ごくたまに「それがしのプロフィール、見てくれた…?」と聞きたくなるような求人*7をぽつぽつ紹介されるに留まり申した。ただでさえ求人の少なきこの国、前職がたまたまラッキーですんなり決まっただけにござって*8、それがしのこの、タイトロープをぎりぎり渡るどころか、ちょくちょく足を踏み外しながら生きてきたような人生であれば、紹介できる求人がなくとも当然であろう。それがしもそう思う。
自分で求人を探すにしても、前回の意気込みは何処へやら、それがしは何かと理由をつけて新しいことに挑戦しないクソザコに成り下がり申した。年齢が、地方が、景気が*9、御屋形様の国替えが、と、理屈と膏薬は何処にでもつくと申すがまさにその通りでござった。



それがしは前の国にて、転職から逃げ申した。前の国は手に職を付けられる業種の多き地方にて、もう少し頑張っていれば、なんなら職業訓練校に通っていれば、太き道のど真ん中を歩ける職だって選べたであろう。スケベ心と甘えでタイトロープを踏み外す人生を選んだのはそれがし自身にて、もはや何の言い訳もござらん。そのような中、このたび有難きことに次の職の内定を得たのでござる。が、これがまた今までの職を踏襲する仕事にござる………。
この先、御屋形様の国替え先が今よりさらに状況の厳しき国になる可能性もござるが、それがしはもう覚悟を決めたでござる。それがしの場合は今後の人生*10が御屋形様しだいという側面もあるゆえ、もう諦め半分スケベ心半分で、このまま「ワンチャン同業の仕事が非正規でいいからあるといいな、なければフリーランス在宅の下請け仕事*11でほんの少しでも稼いで繋がっていよう」という方針にて生きて参る所存にござる。それがしは多分もう正規の職に就くことはなかろうし、今後転職を重ねる中で、給料や待遇も下がっていくであろう。それは、それがしが転職から逃げたツケであると受け止めてござる。
元増田殿におかれては状況も全然違うし、斯様な無職に言えたことなど何もござらぬ。ただタイトルを見て自分語りをしたくなっただけにござった*12
ニセお侍文体、書くの大変だし読みづらいしでなんもいいことなかったし疲れたでござる。「素浪人ファーストアウト」は名曲。

*1:

*2:転勤

*3:1回辞めてるので厳密には再就職活動

*4:実際にやることはクッソ地味なんだが

*5:疲れてきた

*6:いちおう全国規模のはずだが

*7:免許持ってないと書いてあるのに免許必須とか。1回目はともかく、理由伝えて断ったのに同じことがあったので「ハハーン、さては見てないな?」となった

*8:その結果はともかく

*9:ただ、この地方の景気がヤベーってのは実際にある。全国ニュースから地域のニュースに移ると落差にクラクラする

*10:どこに住むかとか、いつ引っ越すかとか、最終的にどこに落ち着くかとか

*11:フリーランスと言うのもおこがましいので直した

*12:最初は増田に書こうかと思ったけどあまりに自分語りなので自ブログにした