マンガ買ったしエロいと思った
一切のひねりを放棄したタイトルですが、まんまです。久々にご新規さんを買った。3タイトル、計7冊。これがめっぽうエロかった。
絵柄は表紙のとおり、頭身低めのデフォルメされたタッチなのだが、いずれの作品も女性たちが妙に生々しくて色っぽいのである。
『たそがれたかこ』は生活に疲れ切った40代バツイチ女性が主人公であり、その表情や白髪、入浴シーンのちょっとくたびれた体のライン、ときどきフラッシュバックのように差し込まれる若き日の夫との情事など、ものすごく生々しくてエロい。ところどころ直視できないコマがある*1。
『満月エンドロール』『うきわ』は同じ作家さんの作品で、私は前作の『とろける鉄工所』しか存じ上げなかったのだが、女性キャラがかわいいなァと思ってはいた。しかしこの2作、とくに『うきわ』の主人公・麻衣子さんの生々しさはすごい。夫の浮気に悩む中で、徐々にお隣のご主人に思いを寄せていく様子が生々しくて危うい。麻衣子さんちょろい。ちょろくてエロい*2。
思えば性の目覚めは『てんで性悪キューピッド』だったわたくしですが*3、最近ではおっぱいプルーンプルン、Something汁ブシャーなマンガよりも、こういうデフォルメされた絵柄で描かれるほうが、なんか妙に生々しくて不思議とどぎまぎするということに気が付いた。このへんのことを自覚するきっかけになったのが、こうの史代先生の『さんさん録』と『この世界の片隅に』である。
妻に先立たれたじいさんと、その息子(妻帯者)を慕う妙齢女性の恋の描かれようたるや。ふたりで布団にカバーを掛けるシーンなんてすごくエロい。
そして、『この世界の片隅に』にはもっと直接的なラブシーンが出てくる。 ヤバイ。ギャバイ。手に汗かく。
思うに、私がこの手の作品を妙にエロく感じるのは、ひとつにはギャップ、もうひとつには人間くささがあるからではないかと考える。単純に、ほのぼのしたタッチで乳首券が発行されることには驚きがある*4。一種の吊り橋効果だといえよう*5。そして人間くささだが、これらの作品群のキャラクターたちは、なんというかスーパーで3個パックの納豆とか買って食べていそうなのである。パキッとたれを納豆の上でパキッとしていそうな、そういう生活臭がある。職場の同僚や、近所の店員さんの恋愛事情を垣間見てしまったような気まずさと、それゆえの色っぽさ。
こういうエロさにご賛同いただける方がいらしたら、ぜひオススメの作品を教えてください。あ、森下裕美先生も色っぽいですね。『大阪ハムレット』とか『トモちゃんはすごいブス』とか。
余談
文中で書けなかったが『満月エンドロール』は泣けた。ラスト2話はオイオイ泣いてしまってちゃんと読めていない。再読したいが絶対また泣くので読むのが怖い。